工芸品

「こけし」は東北地方だけに育った不思議な玩具です。手足は隠したままなのに、見る人に表情豊かに語りかけます。
一体のこけしが生まれるのには長い時間が必要ですが、なぜか工人の顔に似てくるその表情は不思議な愛着を感じさせます。

東北では仙台の堤人形に次ぐ歴史をもち、米沢の相良人形ととともに東北の三大土人形の一つに数えられています。
伝承者の没後とだえてしまいましたが、昭和49年、地元の郷土玩具製作者と花巻市の努力により新たに再興され、現在も作り続けられています。

「権現さん」の名で親しまれる素朴な彫刻です。人の願いを叶える神様として、家々に飾られています。
「突きのみ」の一刀彫りの作風で、素材は全て大迫産というこだわりの彫刻です。

500年以上の伝統を誇る国の重要無形民俗文化財早池峰神楽。その神楽面をかたどった手作りの工芸品は、伝統を感じさせる重みがあります。

台焼は万寿山の陶石から生まれた東北では珍しい磁器。民芸調に厚手に挽き、米糠を釉薬とした糠青磁も日用の器として親しまれてきました。
台焼の創始者を祖父にもち、密郎氏が独自の創作活動を志し生まれ育った窯を離れ新境地を拓いた瀬山焼。その特徴は、竹ベラを繊細に使っての「櫛目波紋」というオリジナルの作品です。
宮沢賢治「銀河鉄道の夜」をイメージした作品も特徴的です。また南部藩御用窯として歴史をもつ鍛冶丁焼や、夢灯りやランプシェードが女性に人気の早池峰焼など、個性溢れる作品が揃っています。

花巻地方で古くから縁結びや子孫繁栄、五穀豊穣などの祈願の使い駒として円万寺観音に伝えられている藁の馬人形です。
素朴さが魅力で、稲わらでかたどられ、美しい布で飾られています。
人目を忍んで供え、成就後には美しく色布、鈴などを飾りお礼参りをしたという風習もありました。

ミンクやフォックス、ラビットなど、様々な種類の毛皮を使った小物やアクセサリーです。
リアルファーの特性を熟知した毛皮職人が、一つひとつ丁寧に制作。本物ならではの手触りと風合いを、手軽に楽しむことができます。

スコットランドの農家が発祥の地であるホームスパン。
羊の毛をそのまま染め、手紡ぎ手織りする技術は、大正時代にこの地に伝わりました。
しわになりにくく軽く暖かな風合いの布地は、服はもちろん、ネクタイ、ショール、小物入れなど多くのファンに愛されています。
全国8割のシェアを誇る東和町のホームスパンは、シャネルのパリコレクションにも採用されるなど、世界的にも高く評価されているのです。

享和年間(1801〜1803)のころから作られている和傘。
現在作っている工房は、県内唯一で、大正元年から製造販売しています。材料の竹は県内の真竹を使い和紙は、美濃和紙、烏山和紙を使っています。全工程を一貫作業で行っており実用本位の傘です。

昔ながらの染料、製法にこだわり続ける職人技。賢治の世界を布に映し出す技。
花巻では伝統を今も守り続ける藍染から、賢治作品をモチーフにした幻想的な一点物など、様々な作品に出会えます。